北海道の道南地方に古くから伝わる松前漬は海の三宝と言われる数の子、するめいか、昆布を漬け込んだものです。
松前漬はその名の示すとおり松前藩の人々が保存食として食べていたものがルーツだと言われています。かつての北海道では処理に困るくらい数の子がとれていました。当時は茄子や胡瓜の漬け物をつくるように、数の子をふんだんに使った松前漬を道南の各家庭でつくったと言われています。ところが、今では数の子は貴重品となってしまい、かつてのように数の子を入れた松前漬を大量に作ることが難しくなってしまいました。現在の松前漬の価値は貴重な数の子や、するめいかと昆布の品質で決められるといっても過言ではないでしょう。道南地方ではごく当たり前の松前漬が商品化されたのは昭和12年のことで、豊富に獲れる数の子、するめ、昆布を一夜漬にして各家庭で作っていたものを改良し育て上げたのが第一号と言われています。この年より道南地方の松前漬は北海道の味として全国に知られるようになりました。
数の子、するめいか、昆布を使った数の子松前漬は、元来の形にできる限り近づけた伝統の逸品です。